NEWSグローバル実装本番稼働(限定領域)2026-08-27

トークン化RWAの残高、ファンドが4分の3超に DeFiでの利用も1年で3倍

トークン化資産は発行されるだけの段階を抜けつつある。残高の伸び以上に、それが実際に使われ始めているかどうかが問われる局面にある。

BY OFM Research · 5 MIN READ

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集計サイトToken Terminalによれば、トークン化された現実資産(RWA)のオンチェーン時価総額は2026年8月26日時点で447億ドル(1ドル=159円換算で約7.1兆円)、うちファンドが341億ドルと76.4%を占める。CoinSharesとToken Terminalの共同レポートでは、DeFiへのRWA預入が2026年第2四半期に74億ドルとなり前年同期から3倍超に増えた。主戦場がファンド類型に集中している事実は、日本の金融機関の商品設計にも含意を持つ。数値は集計サイトのものである。

何が起きたか

Token Terminalの2026年8月26日時点の集計では、内訳はファンドが341億ドル、コモディティが77億ドル、トークン化株式が28億ドル。構成比は順に76.4%、17.3%、6.3%とされる(丸めた金額から計算し直すと若干のずれが出る)。ファンド類型が突出し、トークン化株式は1割に届かない。

利用実態の側では、共同レポート「State of Hybrid Finance 2026」がDeFiの貸出プラットフォームと分散型取引所へのRWA預入を集計している。2026年第2四半期の預入は74億ドルで前年同期は23億ドル。同期間にDeFi全体の預入は約15%減少し、分散型取引所の現物出来高は約70%減った一方、RWAの現物取引高は約220%増えている。担保に使われたのはトークン化国債ファンドや利回り付きドル建てステーブルコインが中心で、預入の約7割がイーサリアム上にある。

これらは集計サイトの定義に依存する数値であり、発行体の公式開示ではない。集計範囲が違うため、ダッシュボード間の単純比較には適さない。

なぜ重要か

アセットマネジメント会社にとって、残高の4分の3以上がファンド類型に集まっている事実は商品設計の順序を示す。トークン化株式は制度上の論点が多く、規模で見れば周辺にとどまる。日本でトークン化商品を検討するなら、投資信託・MMF・国債連動型のように既存の受益権構造をそのまま載せられる類型が現実的な入口になる。

もう一つは、「発行されただけの残高」と「使われている残高」の距離である。DeFi全体が縮むなかでRWAの預入だけが伸びた構図は、暗号資産市況とは別の需要——担保として置ける利回り資産への需要——の存在を示唆する。ただしこれはDeFiプロトコル上の話で、規制対象の金融機関が同じ形で使えるわけではない。日本では、トークン化MMFを証拠金や担保に使えるようにする制度整備が進むかが対応する論点になる。

注視点

ファンド類型への集中が続くのか、トークン化株式が制度整備を受けて比率を上げるのか。米国ではDTCCのトークン化サービスが2026年後半の本格展開を予定しており、これが構成比に影響しうる。

進捗段階

該当なし(データ)。本稿は個別の取り組みではなく市場全体の集計値を扱うため、実装系・制度系のいずれの段階区分も適用しない。ただし記載された数値の性格は「集計サイトによる推計」であり、発行体の開示に基づく確定値ではない点に留意されたい。

用語解説

  • トークン化現実資産(RWA):国債、社債、コモディティ、ファンド持分など、既存の金融・実物資産をブロックチェーン上のトークンとして表現したもの。オンチェーンで24時間移転でき、担保として即時に差し入れられる点が従来との違いとされる。
  • トークン化ファンド:投資信託やMMFの受益権をトークン化した商品。既存の受益権構造をそのまま載せられるため制度上の障害が比較的少なく、トークン化資産のなかで最も残高が大きい類型となっている。
  • DeFi(分散型金融):銀行や証券会社といった仲介者を介さず、スマートコントラクトで貸借や交換を行う仕組み。参加に免許が要らない代わりに、破綻時の責任主体が存在しない。規制対象の金融機関が直接利用するには制度上の隔たりがある。
  • 預入(deposit/TVL):DeFiのプロトコルに預け入れられている資産の総額。担保として拘束されている残高を含むため、単なる保有残高ではなく「使われている残高」の代理指標として読まれることが多い。
  • 集計サイト:オンチェーンのデータを収集・分類して残高や取引高を集計する事業者。Token Terminal、rwa.xyz、DefiLlamaなどがある。何を「トークン化RWA」に含めるかの定義が各社で異なるため、サイトをまたいだ数値の比較には注意が要る。

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-08-27

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