NEWS韓国制度⓪検討・研究2026-09-16

韓国、非金銭信託の受益証券発行を認める法案を国会小委で審議へ トークン証券の裏付資産拡大、成否は未確定

韓国のトークン証券制度は2027年2月に始まるが、不動産や著作権を裏付けにした商品を広く発行する法的根拠はまだない。その穴を埋める法案が、国会での審査に入った。

BY OFM Research · 4 MIN READ

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韓国国会の政務委員会は2026年9月15日の法案審査第1小委員会で、非金銭財産を信託して受益証券を発行できるようにする資本市場法改正案を審議する予定だった。与党議員が9月8日に提出した法案で、成立すれば不動産や知的財産を裏付けとする小口投資商品を、トークン証券として一般的に発行する根拠となる。日本の信託銀行・証券会社にとっては、受益証券発行信託を土台とする日本型のセキュリティトークンとの制度比較の材料になる。本稿執筆時点で、同小委での本法案の審議結果は確認できていない。

何が起きたか

報道によると、共に民主党の李康一(イ・ガンイル)議員は9月8日、「信託業革新5法」の一つとして、非金銭財産を信託した場合にも受益証券の発行を認める資本市場法改正案を提出した。現行法では、信託業者による受益証券の発行は金銭信託に限られている。国民の力の金相勲(キム・サンフン)議員も2024年11月に同趣旨の法案を提出したが、小委を通過しなかった。

韓国の金融委員会は2025年2月の発表で、この法改正が実現するまでの間、資産流動化法を根拠に非金銭信託受益証券の発行を認めると説明していた。この方式では、発行プラットフォームが裏付資産を先に買い取るなどの要件があり、業界は資金負担の重さを指摘してきた。

トークン証券の発行・流通を認める電子証券法・資本市場法の改正は2026年1月に国会を通過し、2027年2月4日に施行される。金融委員会は9月4日の政策方向で、第1段階から公募の小口投資証券のトークン化を認めるとしている。

経済紙の報道によれば、9月15日の政務委法案小委は公開買付けの義務化を盛り込んだ法案を可決した。一方、本法案の扱いを伝える報道は確認できていない。

なぜ重要か

小口投資商品の供給は、トークン証券の流通基盤が整っても、発行の法的根拠がなければ増えない。韓国では取引所の新しい市場や店頭取引所の認可が進む一方、商品を発行する経路が限られている。日本では受益証券発行信託を使う不動産セキュリティトークンが発行額の大半を占めており、信託の受益権を証券化して小口販売する枠組みは既に機能している。韓国がこの枠組みを法律で一般化すれば、日韓で裏付資産の種類や販売規制を比べる前提が揃い、将来の相互流通を議論する土台にもなり得る。

注視点

まず、9月15日の小委で本法案が通過したか、継続審議になったかを確認する必要がある。通過した場合も、政務委全体会議、法制司法委員会、本会議を経る必要がある。2027年2月の制度施行との時期の整合、施行猶予期間の設定も論点とされている。

進捗段階

規制トラック:①(議員立法の提出・委員会審査段階。小委の結果は未確認)

用語解説

  • 非金銭信託:金銭以外の財産(不動産、知的財産、美術品など)を信託財産として預ける信託。受益者は財産から生じる収益を受け取る権利を持つ。
  • 受益証券:信託の受益権を表示した証券。これをトークン化すれば、信託財産の収益権をブロックチェーン上で小口に分けて移転できる。
  • 小口投資(韓国語で「チョガク投資」):不動産や音楽著作権などを細かく分けて多数の投資家が持ち合う投資。韓国では規制サンドボックスの特例で事業が広がり、正式な法制化が課題となってきた。
  • 資産流動化法:韓国で資産の証券化の手続きを定める法律。非金銭信託受益証券の暫定的な発行根拠に使われているが、資産保有者の要件が厳しいとされる。

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-09-16

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