NEWS米国制度①案の公表・意見募集2026-09-17

CLARITY法の上院否決を受け、SEC・CFTC委員長が既存権限での規則策定を表明 規制の舞台は議会から当局へ

立法が止まった翌日、二つの当局のトップが「法律がなくても動く」と宣言した。確実性を求めた業界にとって、それは覆りうるルールでの前進を意味する。

BY OFM Research · 4 MIN READ

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米上院が9月15日にCLARITY法の審議入りを49対50で否決したことを受け、SECのポール・アトキンス委員長とCFTCのマイケル・セリグ委員長は16日、それぞれX上で既存の法的権限による暗号資産の規則策定を進める考えを示した。アトキンス委員長は立法の有無にかかわらず行動するとし、セリグ委員長も規則を出す準備はできていると述べた。日本の金融機関にとっては、米国での事業や提携の前提となる規制が、政権交代で変わりうる当局規則に依存する点が論点になる。具体的な規則案や日程は示されていない。

何が起きたか

The Blockによると、アトキンス委員長は16日の投稿で、SECの法定権限の範囲内で断固として行動し、投資家と起業家に確実性をもたらすと述べ、続報を待つよう呼びかけた。セリグ委員長は声明で上院の結果を残念だとし、トランプ大統領が約束した市場構造の枠組みを既存の法的権限で実現する手助けをすると表明した。

両当局はすでに準備を進めている。セリグ委員長は8月20日、議会の立法が止まった場合に備え、既存権限で暗号資産の市場構造を定める規則の検討をスタッフに指示していた。SECも8月に暗号資産の規則案を公表しており、意見募集は10月20日に締め切られる。両当局は3月、主要な暗号資産の証券法上の扱いに関する解釈を共同で示している。

The Blockが伝えたアナリストの見方では、当局は迅速に規則を進めるとみられる一方、当局の規則は将来の政権による変更や訴訟の対象となりうるため、法律より持続性に劣る。

なぜ重要か

市場構造を法律で固定できなかったことで、米国の暗号資産規制は当局の規則と解釈の積み重ねで形づくられることになる。規則は法律より早く整うが、政権が代われば見直されうる。米国で暗号資産関連の業務や提携を検討する日本の金融機関は、事業計画の前提を規則の存続期間という観点から見直す必要がある。影響が大きいのはステーブルコインの利回り(リワード)の扱いである。法案では預け置き残高への報酬を制限する方向で議論されていたが、報道によればアナリストは否決によって現行の実務が続くとみている。銀行預金との競合という論点は、日本で電子決済手段を扱う際にも無関係ではない。

注視点

SECの暗号資産規則案の意見締切(10月20日)と、CFTCが具体的な規則案を出す時期が次の節目となる。上院では11月の中間選挙後の会期にCLARITY法を再び取り上げる可能性を指摘する議員もいるが、見通しは立っていない。

進捗段階

規制トラック:⓪(当局トップの方針表明にとどまる。新たな規則案は未公表)

用語解説

  • CLARITY法:デジタル資産の市場構造を定める米国の法案。暗号資産の現物取引の監督をCFTCに、証券に当たるものをSECに振り分ける枠組みを定める。下院は2025年7月に可決している。
  • クローチャー採決:米上院で審議を打ち切り、次の段階に進むための手続き採決。60票が必要で、少数派の引き延ばし(フィリバスター)を越える関門となる。
  • CFTC(商品先物取引委員会):米国で先物やデリバティブ、商品市場を監督する当局。ビットコインなど一部の暗号資産は商品として扱われる。
  • ステーブルコインのリワード:交換業者などが、利用者のステーブルコイン保有に応じて支払う報酬。発行体による利息支払いを禁じた法律の抜け道になるとして、銀行業界が規制を求めている。

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-09-17

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