NEWS米国制度②成立・確定(未施行)2026-10-03

米財務省、GENIUS法に基づく州ステーブルコイン規制の認証手続きを公表──手続きが先に動き出し、認証の基準は未確定のまま

米国のステーブルコイン監督は、連邦と州の二層で組み立てられる。その州側の入口となる認証の手続きが、中身にあたる判断基準より先に決まった。

BY OFM Research · 5 MIN READ

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米財務省は2026年9月30日、GENIUS法に基づき、州のステーブルコイン規制が連邦の規制と「実質的に同等」であることを認証する手続きを、暫定最終規則として官報に掲載した。財務長官、FRB議長、FDIC総裁で構成する委員会が、州からの申請を30日以内に審査する。日本の金融機関にとっては、米国の発行体がどの当局の監督下にあるかが、提携先を見極める前提になる。ただし認証の判断基準を定める規則は4月に提案されたまま確定しておらず、手続きと基準の順序が逆転している。

何が起きたか

官報によれば、規則は掲載日に発効し、意見募集は11月30日まで行う。ただし、州からの認証の受付は、書類の様式について行政管理予算局(OMB)の承認を得てから始まる。州の規制当局は、所定の様式で、自州の規制が連邦の基準と実質的に同等であることを説明する文書と、根拠となる法令を提出する。初回の認証には委員会の全会一致の承認が必要で、その後は毎年、初回承認と同じ四半期に再認証を受ける。GENIUS法の下で州が監督できるのは、発行残高が100億ドル(約1兆5,816億円。1ドル=158.16円、三菱UFJ銀行の2026年10月2日の公示仲値による筆者の計算)以下の発行体である。法律は施行から1年以内の初回認証を求めており、規則はこの期限を2028年1月18日と解釈した。期限までに条件付きの認証を出せば、内容の補完は後からでもよいとしている。財務省は、初回の認証を出す州を31〜56と見込んでいる。

なぜ重要か

米国のステーブルコイン発行体は、発行残高が一定以下であれば州の監督を選べる。どの州がいつ認証を得るかは、州の認可を受けた発行体が今後も米国で事業を続けられるかに直結する。日本の銀行や決済事業者が米国の中堅の発行体と組む場合、相手の監督当局が連邦か州かで、準備資産や償還のルールを確かめる先が変わる。今回は手続きだけが先に決まった。Ledger Insightsによれば、認証の基準を定める規則は4月に提案されたまま確定しておらず、州の当局からは、連邦の規則が固まる前に1年の期限が来てしまうとの懸念が出ている。

注視点

認証の基準を定める規則がいつ確定するかが最大の焦点である。様式についてのOMBの承認時期と、最初に申請する州がどこになるかも見ておきたい。日本で外国の発行体の監督体制を評価する場面で、米国の州の監督がどう扱われるかも論点になりうる。

進捗段階

制度トラック:②(手続きの規則は発効した段階。認証の判断基準は提案のままで、州からの認証の受付も始まっていない) 実装トラック:対象外

用語解説

  • GENIUS法:2025年に成立した米国のステーブルコイン規制法。発行体に、準備資産の保有や償還への対応などを義務づける。発行残高の大きい発行体は連邦の監督下に置き、小さい発行体には州の監督も認める二層の構造をとる。

    • 英:GENIUS Act / 用例:The GENIUS Act lets smaller issuers choose a state regulator instead of a federal one. (GENIUS法は、小規模な発行体が連邦ではなく州の監督当局を選ぶことを認めている)
  • 実質的同等性:州の規制が、連邦の規制と同じ水準の保護を実現していると認められること。州ごとに規制が緩くなる「規制の底辺への競争」を防ぐための基準である。日本の制度で、外国の規制を同等とみなして外国の事業者を受け入れる考え方に近い。

    • 英:substantial similarity / 用例:States must show substantial similarity between their stablecoin rules and federal standards. (州は、自州のステーブルコイン規制が連邦の基準と実質的に同等であることを示す必要がある)
  • 暫定最終規則:意見募集を経ずに発効させ、発効後に意見を受け付ける米国の規則制定の方式。急ぐ必要のある手続き的な規則などで使われる。寄せられた意見を踏まえて、後で修正されることがある。

    • 英:interim final rule / 用例:Treasury issued an interim final rule that took effect on the day of publication. (財務省は、官報掲載の日に発効する暫定最終規則を公表した)
  • ステーブルコイン認証審査委員会:財務長官、FRB議長、FDIC総裁の3者で構成し、州の規制がGENIUS法の基準を満たすかを審査する委員会。連邦の銀行監督当局がそろって判断することで、州ごとの基準のばらつきを抑える。日本には直接対応する機関はない。

    • 英:Stablecoin Certification Review Committee / 用例:The Stablecoin Certification Review Committee has thirty days to decide on each certification. (ステーブルコイン認証審査委員会は、各認証について30日以内に判断する)

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-10-03

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