NEWS英国制度②成立・確定(未施行)2026-09-17

英FCA、暗号資産規制の適用範囲に関する最終ガイダンス(PS26/18)を公表 9月30日の認可申請受付を前に

英国の暗号資産規制は、施行の1年以上前に認可申請の受付が始まる。どの業務が規制対象かの線引きが、その2週間前にようやく最終形で示された。

BY OFM Research · 4 MIN READ

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英FCAは2026年9月16日、暗号資産規制の適用範囲に関する最終ガイダンス(PS26/18)を公表した。認可が要りうる業務として、ステーブルコイン発行、取引所運営、売買・取次、カストディ、ステーキング取次を示した。規制の施行は2027年10月25日だが、認可申請は2026年9月30日に受け付けを始める。英国に拠点を置く日系金融機関は、既存の許認可で足りるかを早期に見極める必要がある。政府は適用除外を加える法令修正を議会に提出済みで、FCAは10月に改訂案を示す。

何が起きたか

PS26/18は、4月に意見募集したガイダンス案(CP26/13)への回答と最終版をまとめたもので、FCAのハンドブックの適用範囲マニュアル(PERG)に新しい章として入る。対象は、2026年2月に議会で成立した暗号資産規則に基づく新たな規制業務である。FCAは6月末に業務規則の最終版を公表しており、今回のガイダンスとあわせて制度の骨格がそろった。

一方、政府はその後、規則の適用範囲を調整する法令修正を議会に提出した。修正は、英国の適格ステーブルコイン、自己勘定取引とマーケットメイク、一部の技術提供者、分散型プロトコル、中央証券保管機関(CSD)が関わる保管、金融広告に適用除外や明確化を加える。PS26/18は成立済みの規則に基づくもので、この修正はまだ反映していない。FCAは、修正が影響する事業者は多くないとして、現行ガイダンスで準備を進めるよう求めている。

なぜ重要か

英国の制度は、既存の金融機関にも新たな許可の取得を求めうる点で、日本の金融機関の現地拠点に直接関わる。すでにFCAの認可を持つ証券会社でも、暗号資産の保管や取次を行うなら許可範囲の変更が必要になる場合がある。マネロン規制上の登録は、新制度の認可に自動では移行しない。今回の法令修正でCSDが関わる保管が適用除外の対象に挙がったことは、トークン化証券の決済にCSDを使う設計を検討する金融機関にとって意味が大きい。日本でも暗号資産の金融商品取引法への移管が進んでおり、業務ごとに規制の線を引く英国の整理は、国内の区分を考えるうえでも比較の材料になる。

注視点

9月30日の申請受付開始後、既存事業者が経過措置を使うための申請期限は2027年2月28日と報じられている。FCAは10月、政府の法令修正を反映するガイダンス改訂の意見募集を行う予定である。修正法令の議会承認の時期も確認が必要である。

進捗段階

規制トラック:②(規則とガイダンスが確定し、認可申請の受付開始を待つ段階。施行は2027年10月)

用語解説

  • FCA(金融行為規制機構):英国で金融機関の業務行為を監督する当局。健全性を担うイングランド銀行傘下のPRAと役割を分担する。
  • ポリシー・ステートメント(PS):FCAが意見募集の結果と最終的な規則・ガイダンスを示す文書。日本でいうパブリックコメントの結果公表と確定版の公表を兼ねる。
  • 適格ステーブルコイン:英国の規則で定義される、法定通貨などとの価値連動を目指す暗号資産。発行業務が新たに認可の対象となる。
  • 認可ゲートウェイ:新制度のもとで認可を受けるための申請窓口。施行より前に開くことで、既存事業者が空白期間なく移行できるようにする。
  • CSD(中央証券保管機関):証券を集中保管し、口座振替で権利を移転する機関。日本の証券保管振替機構に相当し、トークン化証券との接続で役割が問われている。

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-09-17

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