NEWS韓国実装①実証実験(PoC)2026-10-09

韓国Tossと光州銀行、ステーブルコインのQR決済を技術検証 銀行アプリから店頭端末まで一続きに

銀行のアプリで始めた支払いが、フィンテックのQR読み取りを経て店頭で完結する。地方銀行がステーブルコイン決済の入口を自前の決済網なしにどう確保するかを試した検証である。

BY OFM Research · 5 MIN READ

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韓国のフィンテック大手Tossは10月8日、光州銀行と進めていたステーブルコインのQR決済の技術検証(PoC)を終えたと明らかにした。光州銀行のアプリで決済を選ぶとTossのQR読み取り画面が開き、店頭端末のQRを読むと代金が加盟店へ直接届いて、決済と精算が同時に終わる流れを確かめた。日本の地域銀行にとっては、自前の決済網を持たずにステーブルコイン決済の顧客接点を確保する方法の参考になる。検証は仮想の加盟店で行われ、使った銘柄とブロックチェーンは公表されていない。

何が起きたか

韓国の暗号資産専門メディア、ブロックメディアの報道によれば、検証では光州銀行のモバイルアプリ、Tossアプリ、TossグループのToss Placeが提供する店頭端末をつないだ。利用者が光州銀行のアプリでステーブルコイン決済を選ぶと、Tossアプリと読み取り画面が自動で立ち上がる。店頭端末に表示されたQRを読むと、代金は中間の手続きを経ずに加盟店へ送られ、送金の完了と同時に決済と精算が確定する。結果は光州銀行のアプリに表示される。検証は本番のサービスとは切り離した環境で、仮想の加盟店を使い、実際の顧客情報や資産は使っていない。両社は、利用者の操作を減らし、実在の加盟店で試す2回目の検証を協議している。光州銀行とToss Placeは2026年6月、光州・全羅南道の小規模事業者を支援する協約を結んでおり、今回はその関係をステーブルコイン決済に広げた形である。

なぜ重要か

店頭決済で最も費用がかかるのは、加盟店網と端末をそろえることである。光州銀行は自前の決済網を作らず、加盟店網を持つフィンテックの端末と読み取り機能を借りて、自行の顧客をステーブルコイン決済につなぐ経路を試した。日本の地域銀行が電子決済手段を扱う場合も、コード決済事業者や端末事業者との接続をどう設計するかが同じ論点になる。決済と精算が同時に終わる仕組みは加盟店の入金待ちを解消する一方、取消や返金の処理を別途設計する必要を生む。

注視点

第一に、使う銘柄と発行体である。ウォン建てステーブルコインの根拠法が成立していない段階で、何を対象に検証したのかは明らかでない。第二に、実在の加盟店での2回目の検証の時期。第三に、光州銀行を傘下に持つJB金融グループが、ウォン建てステーブルコインの発行でどの陣営に加わるかである。

進捗段階

① 実証実験(PoC)(実装系)

本番とは切り離した環境で、仮想の加盟店を使い、実際の顧客や資産を伴わない技術検証である。②限定実装に進むには、実在の加盟店で実際の資産を使う検証が要り、ウォン建てであれば根拠法の整備も前提になる。

用語解説

  • 加盟店提示型QR決済:店頭端末やレジに表示されたQRコードを、利用者が自分のスマートフォンで読み取って支払う方式。利用者がコードを示して店側が読む方式と比べ、店側の機器が簡素で済む。今回の検証はこの方式を使った。

    • 英:merchant-presented QR payment / 用例:The customer scans the QR code shown on the merchant's terminal to pay. (利用者は、加盟店の端末に表示されたQRコードを読み取って支払う)
  • 技術検証(PoC):新しい仕組みが技術的に動くかを、限られた環境で確かめる取り組み。実際の顧客や資産を使わないことが多く、事業として成り立つかや制度上の扱いは別に確かめる必要がある。

    • 英:proof of concept(PoC) / 用例:The proof of concept used a virtual merchant and no real customer assets. (技術検証は仮想の加盟店を使い、実際の顧客資産は使わなかった)
  • 精算:決済の後に、加盟店へ代金を実際に支払い、関係者の間で資金の受け払いを確定させる手続き。カード決済では決済から精算まで数日かかるのが一般的で、その間の資金繰りが加盟店の負担になる。

    • 英:settlement / 用例:Payment and settlement are completed at the same time once the transfer finishes. (送金が完了すると、決済と精算が同時に終わる)
  • ウォン建てステーブルコイン:韓国ウォンに価値を連動させたステーブルコイン。韓国では発行の根拠となるデジタル資産基本法が国会で審議中で、銀行が過半を出資する発行体に限るかなどが争点になっている。

    • 英:won-denominated stablecoin / 用例:Korean banks are preparing for won-denominated stablecoins before the law is passed. (韓国の銀行は、法律の成立前からウォン建てステーブルコインに備えている)

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-10-09

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