NEWS韓国実装①実証実験(PoC)2026-09-14

韓国・新韓アセットマネジメント、カントン・ネットワークの国内スーパーバリデーターに承認

制度が整うのを待たずに、韓国の運用会社は基盤側の議決権を先に取りにいった。トークン証券の下位法規は、9月末の立法予告を控えている。

BY OFM Research · 4 MIN READ

SHARELB!

新韓アセットマネジメントは9月14日、機関投資家向けブロックチェーン「カントン・ネットワーク」のガバナンス手続きに基づき、韓国内でスーパーバリデーターを務めることが最終承認されたと発表した。同社は6月にカントン財団と業務協約を結び、参加条件を協議してきた。韓国ではトークン証券の下位法規が9月末の立法予告を控えており、同社は制度とガイドラインが整うまでトークン化技術の開発と概念実証に注力する方針を示している。韓国メディアの報道で確認したもので、一次発表には到達していない。

何が起きたか

スーパーバリデーターはカントン・ネットワークの中核ノードで、ネットワークの安定運営を支えるとともに、主要な政策や運営方針の意思決定にも参加する。新韓アセットマネジメントは6月にカントン財団とガバナンス参加に向けた業務協約を結び、具体的な参加条件を協議してきた。今回、ガバナンス手続きに基づく最終承認を得たかたちである。同社は、国内のトークン証券関連法と金融当局のガイドラインが整うまでは自社のトークン化技術の開発と概念実証に注力し、制度が整えば認められる範囲で段階的にネットワーク上の活動に乗り出すとしている。背景として、韓国の金融委員会は9月4日にトークン証券の政策方向を公表した。資本市場法と電子証券法の下位法規改正案は9月末に立法予告され、改正法は2027年2月4日に施行される予定である。法律事務所の解説によれば、政策方向には1銘柄のトークン証券を1つの分散台帳でのみ発行・流通させ、発行後に他の台帳へ移転させないという原則が含まれる。

なぜ重要か

制度が動くのを待つのではなく、基盤のガバナンスに先に席を取るという順序が選ばれている。カントンは機関投資家向けの許可型ネットワークとして欧米で債券やレポの案件が積み上がっており、韓国の運用会社が国内ノードを担うことは、将来の越境接続の窓口を押さえることを意味する。日本でもProgmat、ibet for Fin、DCJPYといった基盤が併存するが、海外の機関向けネットワークとの接続を誰が担うかは未決着である。運用会社がバリデーターになるという形は、証券会社や信託銀行が中心だった国内の議論に別の選択肢を示す。

注視点

韓国の政策方向が掲げる「1銘柄1台帳」の原則の下で、カントンのような海外ネットワークとの接続がどう位置づけられるかは明らかでない。9月末の立法予告の条文で、分散台帳の適合性評価と連携の要件を確認する必要がある。今回の発表は韓国メディアの報道に依拠しており、同社および財団の一次発表は確認できていない。

用語解説

  • カントン・ネットワーク:金融機関の資産トークン化とオンチェーン取引を想定して構築された許可型ブロックチェーン。参加者を限定しつつ、機関間で資産と資金を移転できることを狙いとする。
  • スーパーバリデーター:カントン・ネットワークの中核ノード。取引の検証とネットワークの安定運営を担うほか、主要な運営方針の意思決定にも関与する。
  • トークン証券(韓国):分散台帳で発行・流通情報を記録する証券。韓国では電子証券法の改正により電子証券の一形態として位置づけられ、2027年2月施行が予定されている。
  • 立法予告:韓国で法令案を事前に公告し意見を募る手続き。日本のパブリックコメントに相当し、施行までの実務準備の起点になる。
  • 概念実証(PoC):本番導入の前に、限られた条件下で技術と業務フローが成立するかを確かめる検証。制度未整備の段階で先行して知見を蓄える手段として使われる。

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-09-14

この記事をシェアする

X・Facebook・LinkedInで、今すぐ友達に届ける。

SHARELB!
WRITTEN BY

OFM Research

Researcher

OFM リサーチチームは、ブロックチェーン・暗号資産関連および金融についての深い知識に基づいて、今現場で起こっていることをリサーチ・取材する専門チームです。

NEWSLETTER

オンチェーン金融の最新記事を毎週お届け

ニュースレターに登録すると、編集チームが厳選した週次ダイジェストを毎週月曜日にお届けします。