NEWSグローバル実装③本番稼働(限定領域)2026-10-08

OKX、スタンダードチャータードのSC Ventures、Circle、Ripple、QRTから出資を受け入れ 企業価値250億ドル

暗号資産取引所の株主に、カストディを担う銀行と大手ステーブルコイン発行体が並んだ。出資は資金の話というより、取引所の周りに誰が業務インフラを提供するかの確認である。

BY OFM Research · 5 MIN READ

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暗号資産取引所のOKXは10月6日、USDCを発行するCircle、クオンツ運用会社のQRT、Ripple、スタンダードチャータード傘下のSC Venturesから、出資前企業価値250億ドル(約3兆9,490億円)で出資を受けたと発表した。3月に米ICEが主導したラウンドの追加分で、出資額は非公表である。銀行系の投資部門が取引所に出資し、銀行本体が担保を保管する構図は、国内の銀行と暗号資産交換業者の関係を考える参照点になる。

何が起きたか

OKXの発表によれば、Circleは同社の取引基盤にUSDCを組み込んでおり、Rippleのステーブルコイン「RLUSD」もOKXの統合注文板で取引されている。QRTは主要な取引の相手方として流動性を供給し、新商品の立ち上げにも関わる。スタンダードチャータードは、OKXとブラックロックが始めた担保の枠組みで、トークン化米国債ファンド「BUIDL」のカストディを担っている。創業者兼CEOのスター・シュー氏は、今回の資金は成長と実物資産のトークン化に充てると述べ、取引所から総合的な金融技術の基盤へ移るとの考えを示した。OKXは同じ日に、50を超える現地通貨をドル建てステーブルコインに換えて保有・送金できるアプリ「OKX Money」を公表した。前日の10月5日には、ICEとの合弁会社OKXICEが、米SECの適用除外を使ったトークン化米国株の取引の場を設けると発表している。Ledger Insightsによれば、企業価値は3月のラウンドから変わっていない。

なぜ重要か

国内では、銀行グループが暗号資産交換業者に出資する場合、銀行法上の議決権の保有制限や業務範囲規制との整理が必要になる。スタンダードチャータードは、出資と並行してトークン化ファンドを担保として保管する役割を担っている。銀行が取引所の外側で担保を預かれば、取引所の破綻時にも担保が守られやすく、機関投資家は取引所に資産を預けずに取引できる。国内の信託銀行やカストディ事業者にとっては、暗号資産交換業者との関係を出資ではなく担保管理の受託から築く道がありうる。ステーブルコインの発行体が取引所に出資する動きは、流通先の囲い込みでもある。3メガバンクやSBIグループが円建てステーブルコインの流通先をどう確保するかを考えるうえで、比較の材料になる。

注視点

出資額と各社の持株比率は開示されていない。トークン化米国株の取引開始や、OKX Moneyを提供する市場の範囲が今後の焦点になる。銀行がカストディを担う担保の枠組みに、ほかの取引所が追随するかどうかも見ておきたい。

進捗段階

対象外(資本取引。担保管理などの業務面の実装段階は、個別サービスごとに異なる)

用語解説

  • プレマネー・バリュエーション(出資前企業価値):新たな出資を受け入れる直前の企業価値の評価額。出資額を加えた額が出資後企業価値になり、出資者の持株比率はこれで決まる。今回は出資額が非公表のため、出資後の評価額や比率は分からない。

    • 英:pre-money valuation / 用例:The investors joined at a pre-money valuation of $25 billion, unchanged from March. (出資者は、3月から変わらない250億ドルの出資前企業価値で参加した)
  • トライパーティ型の担保管理:取引の当事者とは別の第三者(銀行など)が担保を預かり、評価や差し入れを管理する仕組み。担保が取引所の資産と分けて保管されるため、取引所が破綻しても担保が巻き込まれにくい。今回の枠組みでは、スタンダードチャータードがトークン化ファンドの保管を担う。

    • 英:tri-party collateral / 用例:Under a tri-party collateral setup, a bank holds the assets outside the exchange. (トライパーティ型の担保管理では、銀行が取引所の外で資産を保管する)
  • 統合注文板:複数の通貨や銘柄の売買注文を、1つの板にまとめて突き合わせる仕組み。ステーブルコインが統合注文板に載ると、他の資産と直接交換しやすくなり、流動性が高まる。RLUSDはOKXの統合注文板で取引されている。

    • 英:unified order book / 用例:Listing on the unified order book gave the stablecoin access to deeper liquidity. (統合注文板への上場で、そのステーブルコインはより厚い流動性を得た)

出典

※円換算は筆者計算。1ドル=157.96円(三菱UFJ銀行、2026年10月6日公示仲値)。


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-10-08

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