NEWS韓国実装①実証実験(PoC)2026-09-02

韓国コスコム、証券13社とトークン証券の共同基盤。2027年2月の分散台帳法制化に照準

各社が個別に台帳を持つのか、ひとつの基盤を共有するのか。韓国は取引所子会社が共同基盤を握る方向へ、施行日から逆算して寄せてきた。

BY OFM Research · 5 MIN READ

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韓国取引所の子会社コスコムは2026年9月2日、現代車証券とトークン証券共同基盤「KoSTO」の利用および事業協力に関する業務協約を9月1日に締結したと発表した。これで協約先の証券会社は12社から13社になった。KoSTOはLG CNSとの発行インフラ構築を終え、韓国預託決済院との総量管理連携テストベッド実証も完了している。2027年2月4日に改正電子証券法と資本市場法が施行され、分散台帳が法的効力を持つ証券口座簿として使えるようになるのに合わせた稼働を目指すが、稼働時期は公表されていない。

何が起きたか

コスコムは9月2日、現代車証券と前日の9月1日にソウル・汝矣島の本社で業務協約を締結したと明らかにした。既存の協約先はキウム証券、大信証券、NH投資証券など12社で、現代車証券の参加により13社となった。

KoSTOは複数の証券会社が共同で利用するトークン証券の発行・原簿管理基盤である。個社ごとに分散台帳を構築する負担をなくし、SaaS型の費用体系で提供する。コスコムはLG CNSとの発行インフラ構築を完了し、韓国預託決済院との総量管理連携テストベッド実証も終えた。預託決済院は複数のブロックチェーン上で行われた発行の総量を突合するシステムを開発中である。コスコムはさらにステーブルコインを用いたトークン証券決済の実証を進め、社債など既存の定型証券のトークン化も準備している。

制度面の節目は2027年2月4日で、改正電子証券法と資本市場法の施行により、分散台帳が法的効力を持つ証券口座簿として使えるようになる。

なぜ重要か

日本のセキュリティ・トークン市場は、Progmat、BOOSTRY、Securitizeなど複数の基盤が並立する構造で進んできた。これに対し韓国は、取引所子会社が共同基盤を握る集中型に寄せている。中小証券が個別投資をせずに参入できる点が設計の眼目である。

より実務に効くのは総量管理の位置づけだ。韓国は中央機関である預託決済院が複数チェーンの発行総量を突合する。日本の受益証券発行信託型セキュリティ・トークンでは信託銀行が原簿を持ち、証券保管振替機構は関与しない。分散台帳が法的な口座簿になったとき誰が発行総量の一致を担保するのかという問いに、韓国は先に答えを出しつつある。順序も対照的で、韓国は施行日を先に固定してそこへ基盤を寄せ、日本は制度が先行したまま流通市場が育っていない。

注視点

KoSTOの稼働時期は公表されておらず、13社のうち実際に発行を行う社も明らかでない。預託決済院の総量管理システムの完成度、ステーブルコイン決済実証の適用範囲も未確定である。改正法により認可仲介業者が不動産などの分割所有権の店頭仲介を担えるため、既存の分割投資プラットフォームの位置づけも変わりうる。

用語解説

  • KoSTO:コスコムが構築するトークン証券の共同発行・原簿管理基盤。証券会社が個別に分散台帳を持つのではなく、共通の基盤上で発行と権利管理を行う。個社の初期投資と重複投資を抑えることが目的で、日本でいえば複数の証券会社が単一のST基盤を相乗りで使う姿にあたる。
  • 総量管理:複数のブロックチェーン上で発行された同一銘柄について、発行総量が想定と一致しているかを中央機関が突合する仕組み。分散台帳では発行が複数の場所で並行して起きうるため、二重発行や記録の齟齬を検知する層が別に要る。伝統的な市場で振替機関が担ってきた総株式数の管理に相当する。
  • 投資契約証券・信託受益証券:韓国の資本市場法上、株式や社債といった定型証券に当てはまらない権利を証券として扱うための類型。不動産や美術品の分割所有権などがここに入り、トークン証券制度の主たる対象と想定されている。日本の受益証券発行信託や集団投資スキーム持分と機能が近い。
  • 改正電子証券法:2027年2月4日施行予定の韓国法で、分散台帳を法的効力のある証券口座簿として認める。ブロックチェーン上の記録が補助的な控えではなく権利の所在そのものを示すようになる点が要で、この一行があるかないかで実証と本番が分かれる。
  • 分割投資(조각투자):不動産、美術品、音楽著作権などを小口に分けて投資する形態。韓国では先行して市場が立ち上がっており、改正法により認可を受けた証券会社などが店頭で仲介できるようになる。既存の専業プラットフォームは制度圏内での再編を迫られる。

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-09-02

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