NEWS韓国制度①案の公表・意見募集2026-09-07

韓国金融委、海外でのトークン化MMF発行は電子証券法違反に当たらずとの解釈

国内法の適用範囲がどこで切れるのかを当局が言語化した。海外籍トークン化ファンドを扱う金融機関にとって、これは規制緩和ではなく境界線の確認である。

BY OFM Research · 4 MIN READ

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韓国の金融委員会が、MMFを裏付けとする海外でのトークン証券発行は現行の電子証券法に違反しないとの法令解釈を示したと、韓国の専門媒体ブロックメディアが2026年9月1日に報じた。独立した域外の主体が発行・販売し国内に再流入しない構造に限り、同法の適用対象外とする基準が示されたという。韓国では2027年2月4日に改正電子証券法が施行される。日本では海外籍トークン化ファンドの法適用範囲について当局見解が示されていない。なお解釈文書の原文は未確認である。

何が起きたか

韓国の電子証券法は、対象となる証券の権利の発生・変更・消滅を電子登録機関の帳簿に記録することを義務づけている。この規律をそのまま当てはめると、韓国の金融機関が関与する証券をブロックチェーン上で発行する行為は、改正法の施行前は違法と読まれかねなかった。報じられた解釈は、発行・販売の主体が独立した域外法人であり、発行された持分が韓国国内に再流入しない構造であれば、同法の適用範囲外になるという整理を示したものとされる。改正電子証券法は2026年2月の改正で「分散台帳等」を電子登録の方法として位置づけ、2027年2月4日の施行が予定されている。金融委員会は9月4日に別途、トークン証券の3段階のインフラ整備方針を公表しており、第1段階は機関投資家専用の私募MMFと私募社債から始まる。

なぜ重要か

同じ論点は日本にも存在する。日本の資産運用会社や信託銀行が海外籍のトークン化ファンドを組成・販売しようとする場合、社債、株式等の振替に関する法律や金融商品取引法の適用範囲がどこで切れるのかについて、当局の明示的な見解は示されていない。結果として、法的な不確実性を各社が個別に引き受ける状態が続いている。韓国当局が示したのは緩和ではなく境界線であり、「域外で完結し国内に還流しない」という条件を満たす構造なら国内法の規律が及ばないという、範囲の確定である。この種の確定がないまま海外案件を検討すると、法務コストが実質的な参入障壁になる。

注視点

第一に、金融委員会の解釈文書そのものが公表されるかである。現時点では現地報道が伝える内容にとどまり、条件の細部は確認できていない。第二に、「国内に再流入しない」という条件が、二次流通の場面でどう運用されるかである。第三に、9月末に予定される資本市場法・電子証券法の下位法規の立法予告で、この整理が明文化されるかどうかである。

進捗段階

規制トラック①(法令解釈の提示。文書化と下位法規への反映は未確認)

用語解説

  • 法令解釈(유권해석):当局が個別の照会に対して、既存の法令をどう適用するかを示す回答。法令そのものの改正ではないため対象範囲は限定的だが、実務上は当局の立場を確認する主要な手段になる。
  • 電子証券法:韓国で証券の権利関係を紙の券面ではなく電子登録機関の帳簿で管理することを定めた法律。日本の社債、株式等の振替に関する法律に相当する。2026年2月の改正で分散台帳を電子登録の方法として認め、2027年2月4日に施行される。
  • MMF(マネー・マーケット・ファンド):短期国債やコマーシャルペーパーなど満期の短い金融商品で運用する投資信託。価格変動が小さく日次で解約できる設計が一般的で、トークン化の対象として各国で先行して選ばれている。
  • トークン証券(토큰증권):分散型台帳に記録される形で発行・流通する証券。韓国当局は、これを新しい商品類型ではなく既存の証券の「発行形態」の一つとして位置づけている。
  • 域外適用:自国の法令を国外の行為にどこまで及ぼすかという問題。金融規制では、投資家の所在地、勧誘の場所、資金の還流経路などが判断要素になり、国境をまたぐ商品設計では最初に確認すべき論点になる。

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-09-07

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