NEWS米国実装①実証実験(PoC)2026-10-06

ICEとOKXの合弁「OKXICE」、米国株60銘柄超のトークンを許可制のUniswapプールで取引へ──SECの新たな適用除外を利用

ニューヨーク証券取引所を傘下に持つICEが、株式を取引する場としてDeFiの仕組みを選んだ。発行体が異議を出せば取引できないという新しい規律も、最初の実例とともに姿を見せた。

BY OFM Research · 5 MIN READ

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ICEとOKXの合弁会社OKXICEが、米国株60銘柄超のトークンを取引する場を開く計画を、米SECの「イノベーション適用除外」に基づき通知したと、2026年10月5日にLedger Insightsが報じた。取引はOKXのレイヤー2上の許可制のUniswap v4プールで行い、ステーブルコインと交換する。日本の金融機関にとっての論点は、自動で価格を決める仕組みで株式を売買する場が、当局の認めた形で動き出す点にある。開始は最短で11月上旬とされるが、届出の原本は確認できていない。

何が起きたか

SECは9月17日、トークン化された米国上場株(NMS株)を自動マーケットメイカー(AMM)で取引する場について、取引所としての登録などを免除する命令を出した。期間は2031年9月17日までの5年間である。場の運営者は、開始の少なくとも30日前に告知し、SECにも通知する。第三者が発行する株式トークンについては、元の株式の発行体に30日前に書面で知らせ、発行体が異議を出せば取引できない。報道によれば、OKXICEの対象にはアップル、エヌビディア、テスラ、JPモルガン、ゴールドマン・サックスが含まれ、AI半導体のCerebrasは異議を出して対象から外れた。利用者のウォレットは譲渡できないトークンで許可され、交換の相手はUSDC・USDG・USDTの3種のステーブルコインで、台帳はOKXのレイヤー2「XLayer」を使う。OKXICEがプールの作成、取引の停止、プログラムの更新の権限を持つ。

なぜ重要か

適用除外の条件は細かい。株式トークンは実際の株式の権利を表すものに限られ、配当や議決権などを保有者に与える必要がある。取引量は銘柄の区分に応じて元の株式の1日平均の0.25〜2.5%に制限され、レバレッジは認められない。交換の相手はトークン化株、ステーブルコイン、トークン化MMFに限られる。24時間の株式取引を認める代わりに、規模と相手方を絞った限定的な枠組みといえる。日本でも、上場株のトークンの取扱いや夜間の取引は今後の論点になりうる。発行体の同意をどう扱うかという米国の答えは、国内の制度設計の参考になる。

注視点

第一に、30日の待機を経て、11月上旬に実際に取引が始まるか。第二に、ほかの発行体からの異議がどれだけ出るか。第三に、利用者の範囲で、日本を含む米国外の投資家が使えるかどうかは確認できていない。

進捗段階

実装トラック:⓪(SECへの通知の段階で、取引は始まっていない) 規制トラック:根拠となるSECの適用除外命令は2026年9月17日に発出済み(期間5年の時限措置)

用語解説

  • NMS株:米国の全国市場システム(National Market System)の対象となる上場株式で、ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場する銘柄が該当する。複数の取引所で同じ銘柄が売買されるため、最良の価格での執行などのルールが定められている。今回の適用除外は、この対象の株式に限られる。

    • 英:NMS stock / 用例:The venue lists more than sixty NMS stocks, including Apple and Nvidia. (この取引の場は、アップルやエヌビディアを含む60超のNMS株を扱う)
  • 自動マーケットメイカー(AMM):預け入れられた資産の比率から、プログラムが自動で価格を決めて売買に応じる仕組み。売り手と買い手の注文を突き合わせる板の方式とは異なり、プールが常に相手方になる。値付けを担う業者がいなくても取引が成立する。

    • 英:automated market maker (AMM) / 用例:An automated market maker sets the price from the balance of two assets. (自動マーケットメイカーは、2つの資産の残高から価格を決める)
  • 発行体の異議:第三者が株式トークンを発行して取引させる場合に、元の株式の発行体が書面で取引を拒める仕組み。今回の適用除外では、30日前の通知期間内に異議が出れば取引できない。発行体が自社株のトークン化を管理できるようにするための規律である。

    • 英:issuer objection / 用例:Cerebras filed an issuer objection, so its shares were left out. (Cerebrasが発行体の異議を出したため、同社の株は対象から外れた)
  • ソウルバウンドトークン:別のウォレットに移すことができないトークン。特定のウォレットが本人確認を済ませたことなどを示す証明として使われる。譲渡できないため、資格をほかの人に貸したり売ったりできない。

    • 英:soulbound token / 用例:Each approved wallet receives a soulbound token that cannot be transferred. (承認されたウォレットには、譲渡できないソウルバウンドトークンが配られる)

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-10-06

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