NEWS日本実装⓪合意・表明のみ2026-10-06

SMBC日興証券、Uniswap・Baseらと国内投資家向けの「規制対応DeFi」基盤の開発を開始

大手証券会社が、分散型金融(DeFi)を外から眺めるのではなく、規制に沿って顧客をつなぐ入口を自ら設計しにいく。問われるのは、マネロン対策と投資家保護をプログラムにどこまで埋め込めるかである。

BY OFM Research · 5 MIN READ

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SMBC日興証券は2026年10月2日、日本の投資家がDeFiを使うためのインフラ開発を始めると発表した。米Nethermindと共同で主導し、Uniswap v4の「フック」機能を使って、AML/CFTと投資家保護を組み込んだ規制対応型の流動性プールを、イーサリアムのレイヤー2「Base」上に構築する。日本の金融機関にとっての論点は、誰でも接続できる取引の仕組みに、本人確認や取引の制限を誰の責任で組み込むかだ。開発の完了は2027年半ばの予定で、本人確認の方法や対象の資産はまだ示されていない。

何が起きたか

プロジェクトは5者で進める。SMBC日興証券とNethermindが共同で主導し、SMBC日興証券は規制当局との対話を主導するとともに、コンプライアンス、リスクモデル、ポートフォリオ運用の知見を出す。Nethermindは技術設計と開発、スマートコントラクトの安全性を担う。Uniswap Labsは取引の仕組みとの統合と流動性の供給戦略、Baseは展開の支援、一般社団法人Nyx Foundationはマーケットメイクとフックの構造について助言する。開発は規制当局と進捗を共有しながら進め、日本の規制の枠組みづくりを支援するとしている。同社は2026年2月にDeFiテクノロジー部を新設していた。

なぜ重要か

DeFiの取引の仕組みは、原則として誰でも接続できる。日本の金融機関が顧客をつなぐには、相手方の本人確認や制裁対象の排除を、取引の仕組みの側で担保する必要がある。Uniswap v4のフックは、取引の前後に独自の処理を差し込める機能で、許可した利用者だけが取引できるプールを作れる。今回の計画は、規制上の要件をプログラムの条件として実装する試みといえる。同じ時期に、ICEとOKXの合弁会社も、許可制のUniswap v4プールで米国株のトークンを取引する計画を届け出た。許可型のプールは、伝統的な金融がDeFiに入る際の共通の型になりつつあるとみられる。

注視点

第一に、プールで扱う資産の種類で、暗号資産だけか、トークン化された証券やステーブルコインを含むか。第二に、本人確認の情報をどのようにプールの利用条件に結びつけるか。第三に、金融庁との対話を経て、どの業規制の下で提供するかが示されるかどうかである。その結論は、国内のほかの証券会社が同じ道をとれるかも左右する。

進捗段階

実装トラック:⓪(開発の開始を発表した段階で、稼働する仕組みはまだない) 規制トラック:対象外

用語解説

  • DeFi(分散型金融):銀行や取引所などの仲介者を置かず、ブロックチェーン上のプログラムで交換や貸借を行う仕組み。取引の条件はコードで定められ、自動で実行される。仲介者がいない分、本人確認や不正防止の責任を誰が負うかが論点になる。

    • 英:decentralized finance (DeFi) / 用例:The broker wants Japanese investors to reach decentralized finance through a compliant gateway. (その証券会社は、日本の投資家が規制に沿った入口からDeFiを使えるようにしたい)
  • フック(Uniswap v4):取引の前後など決まった時点で、独自の処理を呼び出せる機能。利用者の確認、手数料の調整、取引量の制限などを、プールごとに組み込める。取引の仕組みの本体を変えずに条件を追加できるため、規制上の要件を載せる手段として注目されている。

    • 英:hook / 用例:A hook can block any wallet that has not passed identity checks. (フックは、本人確認を通っていないウォレットを締め出せる)
  • 流動性プール:2種類の資産を預け入れておき、その比率から価格を自動で決めて交換に応じる仕組み。注文を突き合わせる取引所の板とは異なり、プールが常に取引の相手方になる。資産を預けた参加者は、手数料の一部を受け取る。

    • 英:liquidity pool / 用例:Only approved investors may trade against this liquidity pool. (このプールで取引できるのは、承認された投資家だけである)
  • レイヤー2:イーサリアムなどの基盤となるブロックチェーンの上に、取引の処理を別に行う層を設けたもの。処理をまとめて基盤の台帳に記録することで、手数料を下げ、処理を速くする。Baseは米Coinbaseが提供するレイヤー2である。

    • 英:layer 2 (L2) / 用例:The project will run on Base, a layer 2 network built on Ethereum. (このプロジェクトは、イーサリアム上に作られたレイヤー2のBaseで動く)

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-10-06

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