NEWS日本制度③施行・適用開始2026-09-14

金融庁、暗号資産担保レンディング「CryptoPawn」に警告 適用したのは貸金業法だった

暗号資産を担保に金銭を貸す行為は、どの業法で捕まえるのか。金融庁が今回選んだのは資金決済法ではなく、貸金業法のほうだった。

BY OFM Research · 4 MIN READ

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金融庁は9月11日、英領ヴァージン諸島に所在するBit Hills Inc.に対し、無登録で貸金業を行っている者等として警告書を発出したと公表した。同社はインターネット上で金銭の貸付けを行う「CryptoPawn」を運営しているとされる。暗号資産関連の無登録業者への警告は、9月1日のIzakaya Limitedに続いて2週間で2件目だが、今回適用されたのは貸金業法である。代表者は不明とされ、所在地等はインターネット上の情報に基づくとの留保が付されている。

何が起きたか

金融庁は貸金業者向けの総合的な監督指針Ⅲ-1-1(4)③に基づき、同日付で警告を行った。対象はBit Hills Inc.で、所在地は英領ヴァージン諸島トルトラ島ロードタウンのIntershore Chambers、代表者は不明とされている。備考には、インターネット上で金銭の貸付けを行う「CryptoPawn」を運営していると記載された。警告の対象となる「無登録で貸金業を行っている者等」には、貸金業を営む旨の表示・広告や、貸付契約の締結についての勧誘を行っている者も含まれる。所管は銀行・証券監督局総務課貸金業室で、これは8月5日に公表された金融庁の組織再編後の名称である。9月1日には、暗号資産レンディングサービス「IZAKA-YA」を運営するIzakaya Limitedに対し、無登録で暗号資産交換業を行う者として警告が出ている。同じ暗号資産の貸し借りをめぐる事案でありながら、当てはめられた業法は異なる。

なぜ重要か

同じ「暗号資産レンディング」でも適用法令が分かれることを、当局が実例で示した点に意味がある。利用者から暗号資産を預かって運用し利息相当を支払う形は暗号資産交換業の周辺で捉えられるが、暗号資産を担保に金銭を貸し付ける形は貸金業の問題になる。国内で暗号資産担保ローンを検討する銀行、ノンバンク、交換業者にとって、この切り分けは登録の要否と利息制限法・出資法の適用を左右する。海外法人がインターネット経由で国内居住者に貸し付ける形態であっても金融庁が名指しで警告を出す姿勢を取っている点も、提携先の選定にあたって確認すべき材料になる。

注視点

警告は行政処分ではなく、公表による注意喚起である。国内利用者がどの程度いたのか、資金の流れがどうなっているかは示されていない。金融庁自身、業者名や所在地は現時点のものでない可能性があると留保している。暗号資産担保貸付についての貸金業法の解釈が、個別の警告を超えて一般的な形で示されるかが次の焦点になる。

用語解説

  • 貸金業:金銭の貸付けまたはその媒介を業として行うこと。国内で営むには財務局または都道府県への登録が必要で、上限金利や取立て行為の規制が及ぶ。担保が暗号資産であっても、貸し付けるのが金銭であれば対象になりうる。
  • 警告書:無登録営業が疑われる者に対し、監督指針に基づいて金融庁が発出する文書。行政処分ではなく、利用者への注意喚起として業者名とともに公表される。
  • 監督指針:法令の解釈と監督上の着眼点を当局が整理した内部基準で、実務上は事実上の基準として機能する。今回は貸金業者向けの総合的な監督指針が根拠とされた。
  • 暗号資産レンディング:暗号資産を貸し借りする取引の総称。利用者が暗号資産を預けて利息相当を得る形と、暗号資産を担保に金銭を借りる形があり、法的な位置づけは両者で異なる。
  • 無登録業者:登録を受けずに金融業を営む者。海外に法人を置きインターネットで国内居住者に勧誘する形態が多く、被害回復が困難になりやすい。

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-09-14

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