NEWS韓国実装⓪合意・表明のみ2026-09-04

韓国銀行、資産トークン化の専従組織を新設。CBDCと同じ統合原簿に国債を載せる構想

韓国は規制当局だけでなく中央銀行側でも動いている。CBDCと預金トークンを載せた原簿の上に国債を置けるかを担当する部署ができた。

BY OFM Research · 4 MIN READ

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韓国銀行がデジタル通貨局の内部に資産トークン化の専従部署を新設したと、Ledger Insightsが2026年8月6日、韓国メディア「イーデイリー」の報道として伝えた。目的は、CBDCと預金トークンを載せる統合原簿「デジタル通貨システム(DCS)」を用いた韓国国債のトークン化である。国債とホールセールCBDCを同一の原簿に置けば、中央銀行のオペレーションの一部を自動化できるという想定がある。金融委員会が9月4日に示したトークン証券政策方向とは別系統の動きで、接続方法は示されていない。

何が起きたか

Ledger Insightsは、韓国メディア「イーデイリー」の報道として、韓国銀行がデジタル通貨局内に資産トークン化の専従部署を設けたと伝えた。目的は、プロジェクト・ハンガン(漢江)でCBDCと預金トークンを載せている統合原簿「デジタル通貨システム(DCS)」で韓国国債をトークン化することにある。

国債のトークン化への言及は初めてではない。同行は2026年7月のECBフォーラムでプロジェクト・ハンガンのペーパーを公表し、国債のトークン化を検討領域の一つに挙げていた。国債を単独で見るのではなく、ホールセールCBDCと同一の原簿に置くことで中央銀行の多様な業務が可能になるという整理である。

同ペーパーは、ニューヨーク連邦準備銀行とBIS(国際決済銀行)のプロジェクト・パインにも言及した。同プロジェクトのシミュレーションでは、トークン化によって追加担保請求の自動化、ヘアカットの算定、レポの執行といった中央銀行オペレーションの一部を自動化できることが示された。これは24時間365日の中央銀行業務を成立させうるとされる。

なぜ重要か

日本でも、Progmatが運営するデジタルアセット共創コンソーシアムが国債トークン化とオンチェーン・レポのワーキンググループを設置したと報じられている。韓国との違いは主体である。日本は民間主導のコンソーシアムが検討し、韓国は中央銀行が自らの原簿上で国債を扱う設計を担当部署を置いて進めている。国債とマネーを同一の原簿に置けば、担保管理と資金供給オペレーションが同じ台帳で完結する。担保となる国債と決済マネーがどの原簿にあるかは、実現できる自動化の範囲を直接規定する。

注視点

本件はイーデイリーの報道を専門メディアが引用したもので、韓国銀行の一次発表には到達していない。組織の名称、人員規模、権限の範囲は確認できていない。DCS上での国債トークン化も、実施時期や試験の有無は示されていない。金融委員会が9月4日に示した3段階ロードマップは第3段階でオンチェーン決済を置いているが、韓国銀行のDCSとの関係は同資料に記載がない。規制側と中央銀行側の原簿をどう接続するかは今後の論点として残る。

進捗段階

実装トラック①(組織設置・検討段階)。DCS上での国債トークン化は未実施で時期も未定である。情報源は二次報道であり、確度は本セッションの他記事より低い。

用語解説

  • デジタル通貨システム(DCS):韓国銀行が構築した統合原簿。CBDCと預金トークンを同一の台帳上で扱う。プロジェクト・ハンガンの技術基盤にあたる。
  • プロジェクト・ハンガン(漢江):韓国銀行が進めるCBDCと預金トークンの実証。中央銀行が基礎通貨を発行し商業銀行が顧客預金を管理するという二層構造を維持したまま、金融機関間の決済にホールセールCBDCを用いる設計を採る。
  • プロジェクト・パイン:BISとニューヨーク連邦準備銀行が実施した研究。トークン化された環境で、中央銀行が担保管理や市場オペレーションをスマートコントラクトで扱えるかをシミュレーションした。
  • ヘアカット:担保として差し入れられた資産の評価額から一定割合を差し引くこと。価格変動リスクに備える措置で、通常は資産の種類ごとに率が定められる。トークン化環境では算定と適用を自動化できるとされる。
  • ホールセールCBDC:金融機関間の決済に用いる中央銀行デジタル通貨。個人は直接保有せず、トークン化された証券の資金決済に中央銀行マネーを供給する手段として位置づけられる。

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-09-04

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