NEWS米国制度②成立・確定(未施行)2026-09-18

SEC、24時間取引のラウンドテーブルを開催。時間外はNMS株の1%未満という足元の数字

トークン化株式が掲げてきた「いつでも取引できる」という利点を、米国の伝統市場が制度の側から埋めにいっている。会合が示したのは、その工程の現在地だった。

BY OFM Research · 5 MIN READ

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米SECは2026年9月17日、24時間取引に向けた準備を議題とするラウンドテーブルを本部で開催した。ピアース委員は冒頭発言で、時間外取引が現状NMS株の売買全体の1%未満にとどまり少数の銘柄に集中していると述べた。一方でインフラ整備は進み、NSCCは2026年6月に清算業務を週5日24時間稼働へ移行、統合気配情報の配信時間延長は12月6日に開始予定である。時間外でのリミットアップ・リミットダウン適用も承認済みで、市場は延長取引へ明確に動いているとされた。

何が起きたか

ラウンドテーブルはSECが7月23日に開催を予告していたもので、当日は時間外取引を支えるための準備、24時間市場における業務運営と耐障害性、取引時間のさらなる拡大に伴う機会と課題の三つが論点として置かれた。ピアース委員は、24Xナショナル取引所の登録申請を委員会が承認した際に自身とクレンショー委員が求めた議論に応えるものだと位置づけている。足元で形になりつつあるのは週5日23時間の取引であり、一部のATSでは以前から時間外取引が行われてきたものの、規模はNMS株全体の1%未満にとどまる。委員は市場参加者の多くがこの移行に両義的な感情を持っていることにも触れ、インフラ整備の進展と当事者の温度差を並べて示した。

なぜ重要か

日本の証券会社にとっては、夜間の運用体制とリスク管理の問題に直結する。米国株の売買が24時間化すれば、日本時間の日中に米国株の価格が動く時間帯が広がり、国内の対顧客サービスの時間設計と気配提示の前提が変わる。さらに、清算が週5日24時間になれば、決済照合や資金繰りの業務時間も連動して延びる。トークン化株式の側から見れば、24時間取引という差別化要因が制度側の整備によって縮小していくことを意味する。オンチェーンの優位は取引時間ではなく、原子的決済(証券と資金の受け渡しを同時に完結させる仕組み)とプログラマビリティに絞られていく。国内の取引時間の延長を巡る議論も、米国の工程を参照点として進むことになる。

注視点

12月6日の統合気配情報の時間延長が予定どおり始まるか。ナスダックやNYSEが申請中の延長取引がいつ承認されるか。そして薄い時間帯の流動性と価格形成をどう扱うかという、今回の会合で積み残された論点である。

進捗段階

規制トラック②/実装トラック②(清算基盤は稼働済み、気配配信の延長は施行日決定済み、取引時間の拡大自体は審査中)

用語解説

  • 全米証券清算機関(National Securities Clearing Corporation, NSCC):米国株式の清算を担う機関で、DTCCの傘下にある。2026年6月に日曜夜から金曜夜まで連続稼働する体制へ移行し、時間外取引の決済を支える土台となった。
    • 英:National Securities Clearing Corporation (NSCC) / 用例:NSCC moved to 24x5 clearing in June, clearing the way for longer trading hours.(NSCCは6月に週5日24時間清算へ移行し、取引時間の延長に道を開いた)
  • 統合気配情報(securities information processor, SIP):複数の取引所の気配と約定を集約して配信する仕組み。配信時間が取引時間の事実上の上限を決めるため、その延長は24時間化の前提条件にあたる。
    • 英:securities information processor (SIP) / 用例:Extended SIP hours are scheduled to begin on December 6.(統合気配情報の配信時間延長は12月6日に開始が予定されている)
  • リミットアップ・リミットダウン(limit up-limit down, LULD):価格が一定幅を超えて動いた際に取引を制限する全米共通の仕組み。流動性の薄い時間帯ほど必要性が高く、時間外への適用が承認された。
    • 英:limit up-limit down (LULD) / 用例:The Commission approved applying limit up-limit down bands during extended hours.(委員会は時間外におけるリミットアップ・リミットダウンの適用を承認した)
  • 代替取引システム(alternative trading system, ATS):取引所として登録せずに売買を成立させる私設の取引の場。米国の時間外取引は従来この枠組みで行われてきたが、規模は限定的にとどまっている。
    • 英:alternative trading system (ATS) / 用例:Overnight trading has long taken place on alternative trading systems.(時間外取引は長らく代替取引システム上で行われてきた)

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-09-18

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