NEWS米国制度②成立・確定(未施行)2026-09-07

OCC、レボリュートに国法銀行の予備的条件付認可。ステーブルコイン関与は販売と保管に限定

銀行免許を与えつつ、危ないと見た業務だけを別途の非異議申立てに切り出した。認可の設計そのものが監督手法の変化を示している。

BY OFM Research · 4 MIN READ

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米通貨監督庁(OCC)は2026年9月2日付の決定書1390号で、英レボリュートによる国法銀行の設立申請に予備的条件付認可を与えた。払込資本は9500万ドル(約152億円、1ドル=160円で筆者換算)以上、開業後3年間はTier1レバレッジ比率10.0%以上が条件となる。レボリュート名義のステーブルコインについて銀行は発行体にも準備金管理者にもならず、役割は販売と顧客アクセス、関連会社経由の保管に限られる。FDICとFRBの承認は未了で、開業は2027年上期の予定である。

何が起きたか

申請は2026年3月10日に新規設立(デノボ)方式で提出された。決定書は認可の対象からリテール外国為替業務を明示的に除外し、開始前にOCCの監督上の非異議申立てを得るよう求めている。さらに条件4として、為替フォワード、加盟店アクワイアリング、非関連海外コルレス銀行業務についても事前の書面による非異議判断を必要とすると定めた。デジタル資産のカストディは英国のFCA規制下にある関連会社を通じた非受託型で提供し、デジタル資産関連収益は3年間で銀行総収益の2%未満を見込む。銀行はデジタル資産を自らの貸借対照表に計上しない。認可は資本調達が12か月以内、開業が18か月以内に完了しなければ失効する。

なぜ重要か

日本の銀行が暗号資産・ステーブルコイン関連業務を検討する際、論点は「できるか否か」ではなく「銀行本体と子会社・関連会社のどこに置くか」に移っている。OCCの決定書は、発行と準備金管理を銀行の外に出し、銀行には販売・アクセス・保管という顧客接点だけを残す構造を、明示的な条件として書き下ろした点で参考になる。加えて、業務を一括で認可せず商品単位で非異議申立てに切り出す手法は、日本の免許審査や監督指針の運用にも援用しうる考え方である。デジタル資産収益を総収益の2%未満と見積もっている点も、収益源としてではなく顧客維持策として位置づける整理を示している。

注視点

第一に、FDICの預金保険とFRBによる銀行持株会社としての承認である。いずれも未了で、これが揃わなければ開業できない。第二に、条件4に挙げられた各業務についてOCCが実際にどの順序で非異議判断を出すかで、段階認可が形式にとどまるか実質的な統制になるかが分かれる。第三に、GENIUS法の規則が最終化された後、レボリュート名義ステーブルコインの発行主体がどこに置かれるかである。

進捗段階

規制トラック②(個別認可の付与。ただし他当局の承認が未了で、業務開始は未確定)

用語解説

  • 予備的条件付認可(preliminary conditional approval):米国で国法銀行を新設する際の第一段階の認可。組織化に着手する許可であり、これだけでは預金の受入れも貸出も開始できない。開業前検査を経て最終認可が下りて初めて営業が可能になる。
  • 監督上の非異議申立て(supervisory non-objection):特定業務の開始について、監督当局が異議を述べない旨を書面で示す手続き。正式な認可より軽い枠組みだが、当局が業務ごとに開始時期を握れるため、段階的な統制の手段として使われる。
  • デノボ(de novo)方式:既存の銀行を買収するのではなく、まったく新しい銀行を設立して免許を取得する方式。買収より審査が重い一方、既存の資産や係争を引き継がずに済む。
  • Tier1レバレッジ比率:中核的自己資本を総資産で割った比率。リスクウェイトを用いないため、資産構成にかかわらず一律に資本の厚みを測れる。新設銀行には通常より高い水準が条件として課されることが多い。
  • GENIUS法:2025年7月18日に成立した米国の決済用ステーブルコインに関する連邦法。発行できる主体を許可された発行者に限定し、外国発行者には財務長官による同等性の判断とOCCへの登録を求める。施行日は成立から18か月後と、主要当局の最終規則公布から120日後のいずれか早い方とされている。

出典


本記事は公開情報に基づく解説であり、投資助言を目的としたものではありません。

END OF RECORD / VERIFIED 2026-09-07

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